今月の温泉だより 第2回 (2004年2月)

『味めぐり』スタート! 自分たちで発想し作る料理

金沢温泉郷の2つの柱となるイベントがいよいよ動き始めた。一つは1月15日(木)から始まった『湯めぐり』。14軒の旅館の温泉を日帰りで楽しめるというもの。そしてもう一つが『味めぐり』である。その1回目が3月7日(日)に行われるというのだ。そこで、今回の会場となる秀峰閣の山下新一郎さんにお話をうかがった。

−今まさに準備の真っ最中という感じですよね。

そうですね。まず1回目として3月7日の日曜日に行うわけですが、今年の味めぐりは、各回「節句」にちなんだものにする予定なんです。3月は「雛祭り」ですね。

−雛祭りというと甘酒をイメージしちゃいますが…。
そうですね。実は、今回の味めぐりではお酒も重要なアイテムなんですよ。お料理との組み合わせなので、甘酒というわけにはいきませんが、酒造メーカーさんの協力を得て、お料理とお酒の組み合わせを存分に楽しんいただけるようなものをご用意する予定です。
それに加えて、「にし」の茶屋街の芸子さんたちの舞をこの会場で行う予定なんですよ。

−湯涌で芸子さんの舞とはおもしろそうですね。

そう、私自身も楽しみなんですけどね(笑)。せっかくの雛祭りなので、雛祭りにちなんだ舞をやっていただく予定なんです。金沢のイメージで「茶屋街での芸子さん」というものもあると思うんです。でも、なかなかそういった場で「遊ぶ」という機会はないと思うので、この機会にぜひ一度体験していただきたいんです。

−新一郎さんも東山では結構…。

いやいや、私も拝見するのは初めてなんです。だから楽しみなんですよ(笑)。

−芸子さんの舞とお料理とお酒というと男性的なイメージが強くなりそうですが…。

以前、とある料亭で、やはり芸子さんを呼んでのお食事会を行ったらしいのですが、そのときもお客様の7割が女性だったということです。今回も雛祭りをテーマにしていますので、是非とも女性の方にも多くお越しいただきたいと思っています。

−では、お料理もお酒も女性向けということでしょうか?

多少は意識はありますが、あくまでお酒とお料理の組み合わせが美味しいものをご提供したいというのが本当のところです。お父さんたちはお料理によってお酒の味が変わったり、逆にお酒によってお料理の旨みが引き出されることをご存じかもしれませんが、それを普段はそれほど飲まないという方にも楽しんでいただきたいのです。


−お酒のことになると力が入りますね(笑)。

そうですね。私自身、お酒が大好きですからね。仕事がら毎日というわけにはいきませんが、飲むときは飲みますよ。

−どれくらい飲まれるんですか?

う〜ん、一升くらいでしょうかね。よく飲むのは吟醸酒です。

−いっ、一升ですか。

 

当館ではオリジナルの吟醸酒を作っているのですが、それを飲むことが多いですが、でも、石川の日本酒はどれも美味しいですからね。

−オリジナルの吟醸酒というと?

もう7、8年前になるでしょうか、ある酒造メーカーさんとお話しする中で、オリジナルの銘柄を作ろうということになったんです。オリジナルといっても当初は既存の日本酒をブレンドしながら作ろうとしていたのです。でも、杜氏さんとお話しするうちに、「こんな感じかな」という味のイメージが双方一致したんです。そこでせっかくだからオリジナルで作ってしまおうと仕込みからオリジナルでやっていただいています。年間で1樽だけですけどね。

−秀峰閣でしか味わえない日本酒というわけですね。

そうですね、そのお酒目当てにお越しいただく方もいらっしゃいますね。

−ちょうど新酒の時期(取材時1月末)ですよね。

この時期にしか入らないものも取り寄せるようにしています。自分も好きな方なので品薄になってしまう前に仕入れるようにしているんです。

−お酒好きが選ぶお酒というわけですね。今回の味めぐりでも最も気を配っているところが酒選びなのかもしれませんね。

美味しい石川県の日本酒を、この機会にぜひより知っていただきたいですしね。なんといっても石川は全国でも有数の銘酒の郷ですから。でも、お料理も大切なファクターですよ。今回のみならず『味めぐり』を続けていく上で、お料理とお酒の相性に気を遣うことは非常に大切だと思っています。

−お料理のイメージは?

雛祭りということなので私どもでは「華やかさ」を演出したいと思っています。といってもきらびやかな華やかさではなく、桜の花のような淡い華やかさとでも言えばよいでしょうか。

−なるほど。実際に使う食材やお料理の内容は?

時期的に山菜などを使うことになると思います。お料理の味つけは各館の個性ですが、この場所、湯涌温泉にあって醸し出せる味ってあると思うんです。だから素材もすべて地のものです。素材の味を壊さないように自分たちの個性を出したいと考えています。せっかくなので、素材の美味しさを再発見していただけるようなものにしたいですね。

 

−今回は『秀峰閣』さんと『あたらしや』さんで行われるということですが…。

そうです。でも、お料理は違うものが用意されますよ。事前にある程度統一したメニューをという話もあったのですが、金沢温泉郷の目的の一つに「各館の個性を伸ばす」ということがあります。そのために今回も雛祭りという共通テーマはあるにせよ、2館の個性を表現したお料理をそれぞれで用意しようということになったんです。テーマがあるだけで、あくまで自分たちで発想し作る料理ということになりますね。それは次回以降も同じことで各館の個性が出るんじゃないですかね。自分たちも楽しみです。

−お料理とお酒、そして舞…。

一般的には男性的な遊びのイメージが強くなってしまいがちですが、特に芸子さんたちの舞は幻想的な美しさがあるでしょう。ですから女性の方も楽しめる内容だと思っています。

−『味めぐり』とあわせて楽しんでいただきたいことはありますか?

そうですね、桜にはちょっと早いですが、湯涌では、新芽が出始め明るい緑が増えてくる時期です。一方で、県境の山並みに雪が残っていると思います。近くには淡い緑、遠くに目をやると白。そういった原野的な自然の風景をゆっくりと楽しんでみてはいかがでしょうか。

−1月から湯めぐりがスタートしましたが、反響はどうですか。

事前に各メディアで紹介されたこともあってか、こちらが思っていた以上の反響で驚いています。当館では日曜日の担当もしているのですが、いままで日曜日というと立ち寄り湯で利用されるのは2、3人いるかいないかでした。湯めぐりがスタートしてからの日曜日は20数名の利用があります。

−10倍以上ですね。

某新聞の記事を見て、その新聞社さんへの問い合わせが殺到したそうです。そこで急きょこちらに問い合わせを回してもらったくらいでした。ニーズはあると思っていましたが、それをあらためて実感しました。これからはもっともっと利用しやすいように、親しんでもらえるように、心がけたいと思います。ちなみに、『味めぐり』当日は2館とも湯めぐりの当番湯になりますから、温泉も楽しんでいただけますよ。

−お酒とお料理と舞、原風景、そして温泉。3月が楽しみですね。初めての試みで何かとお忙しい中、ありがとうございました。

ありがとうございました。

(金沢温泉郷ホームページ編集部)

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 『金沢温泉郷発足にあたり〜自然体でいきましょう』
   金沢温泉郷代表 石屋誠一(深谷温泉 元湯石屋)

 

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